IllustratorCS4以降の選択範囲のバグ

DTP駆け込み寺BBSに寄せられた現象です。

 途中経過として、スレ主さんはAdobeに不具合報告して下さいまして、


ぶじ開発サイドへ改善リクエストが送られたようです。


 が、アップデートで直るにせよ、型落ちバージョンはまず間違いなく放置されます。


まだまだCS4〜CS5.1を使われる方はお見知りおきを、


 と思い、わかっている範囲ですが、まとめておきます。


〈再現例〉
以下CS4で作図しています

図形オブジェクトを2つ以上選択します。


クローズパスであれば何でもいいです。





クリッピングマスクを作成します。





選択ツール(黒矢印)で、マスクオブジェクトをShift+ドラッグ選択します。


このとき、
マスクの中身のオブジェクトの中心点をドラッグ範囲に含むようにします。




結果、こういう選択範囲が出来上がります。





一体どこがおかしいというのか。


実は、おかしいまくりです。


ここまでの再現例ではバウンディングボックスを表示させていますが、


一旦隠してみます。





ハイライト表示されていません。


でも実際は選択されています。


レイヤーパネル上でも選択マークがありません。





が、「レイヤー 1」のサブレイヤーをほじくってみると、


ちゃんと選択されているのがわかります。


ちゃんと、は語弊ですが。



この選択状況で、できない操作できる操作があります。


できない操作
が圧倒的に多いため、ちょっと見では


「んじゃ選択されてないんだって事でいいじゃんすか」と、


思いたくなるかも知れませんが、


できる操作
を、知らずにやってしまうと大変、というわけです。


〈できない操作〉


・選択を解除(第三のオブジェクトを同時に選択していた場合、これ以外が解除される)


・カット、コピー(クリップボードには何か入りますが、何に対しても使えません)


・拡大・縮小、回転、シアーツールなど(操作対象外)


・カラーの適用、不透明度の変更、移動、消去(操作対象外)


・効果、アピアランスの適用


〈できる操作〉


・バウンディングボックスによる変形


・変形パネルへの値入力による変形


・レイヤー移動(展開したレイヤーパネルで操作、または同レイヤー内の他オブジェクトを


   同時に選択して、展開しないレイヤーパネルで操作)


・重ねた他オブジェクトを同時に選択してパスファインダ適用


以上の事由から、


 恒常的にバウンディングボックスを表示させての作業を推奨します


ウチも非表示派だったのですが、いつからか不安がつきまとうようになり、


 この4〜5年で表示派に鞍替えしました。


〈なっちゃった後、選択を解除したい〉


・コンテナとなるマスクオブジェクトを選択ツールでドラッグ選択


で、通常の選択範囲となります。


故意に中身オブジェクトを選択したい場合は、


ダイレクト選択ツール(白矢印)で選択して下さい。


〈今後どうやって気をつけるか〉


・こういう選択範囲ができない手クセをつける


そもそも再現手順がここで示した例に限られるかすら不明です、


これはまず無理と思っておいた方がいいのではないかと。


・選択範囲の異常に気付く事のできる環境整備


結局、これしか。なるべくバウンディングボックスを表示させる事を推奨します。


不具合のあるアプリケーションが悪いにせよ、それで損をかぶる事のないよう。


〈備考:スクリプト〉


app.activeDocument.selection=
null;

↑前面ドキュメントの選択範囲が解除されます。


app.activeDocument.selection=app.activeDocument.selection;


選択範囲の不具合箇所が、ダイレクト選択ツールによる正常な選択範囲


と同一の状態に変換されます。


でーす。

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