Photoshopのイマ風なパス切りに関して補足が必要な感じなので補足しようと思った次第で。
2つ以上の物体の輪郭が重なり合ったような画像は、複雑な箇所を複合的に捉えず、
それぞれをそれぞれなりに切った方が手数も減るしズレも軽減するというメリットがあります。
誰しもスキマの個数なんかでイライラしたくないわけで。
例えばこんな商品画像。
わりとよくあるウンザリ系。
仮に黄色をダーリン、緑色をハニーと呼ぶことにします。
体毛は重なり合っていて、うざいボールチェーンは頭髪のフサフサの中から出ています。
最悪です。
これを、わざとらしく、こう切り分けます。
属性の区分で色分けしてあります。
ダーリンとハニー両者のスキマは、ひとまずダーリンだけを意識して中ヌキ(右端アイコン)で切ります。
そしてハニーの内側を通り、重なり合いのない域に来たら見た目通りハニーに沿って切る。
で、ハニー側を合体(左端アイコン)の属性を持ったパスで補間します。
こうすることで、ハニーの体毛をまたいだダーリンの毛がみっともない段差になったり
エッジが丸くなったりの不整合が解消され、
且つわりとぶっきらぼうに切ってもそこそこの見栄えに仕上がります。
テキトーし放題です。
ボールチェーン部分はタマとサオを別に作ります。
属性はいずれも合体(左端アイコン)で。
タマはパースがついていない限りはシェイプツールで手軽に真円を1つ作り、ぽこぽこ複製するだけ。
サオはよほどの職人系アクセでない限りはほとんど一本線の一往復で済むわけです。
以上で作業上の手数とストレスは激減します。
帰宅する頃にはTVもDSも見たくないよ、ってぐらいの疲労にもなりにくいかと。
ただ、保存と出力の所要時間がとっても非常に激増します。これはしょうがない。しょうもない。
どうしても我慢がきかない場合は一旦「Illustratorへのパス書き出し…」を経由して、
パスファインダでこねくり回して戻します。
古いバージョンは未確認ですが、
PhotshopCS3から書き出したパスをIllustratorで開くと各パスに属性に関したメモが記載されているので、アクションやスクリプトで便利に使えます。属性パネルで確認できます。
今回は「形状エリアに追加」(パスファインダパネルの上行左端)
と「形状エリアから前面オブジェクトで型抜き」(その隣)でどうにか整いました。
パスの整形が済んだら、いちおうプレビューモードで塗りを入れて確認しつつ、
オブジェクト→トリムエリア→解除
で、トンボが元ドキュメントサイズの長方形のパスになるので、
それも含めて全てのパスを選択&コピーしてPhotoshopに戻る。
ペーストがうまくいかない人は環境設定のアレをアレして下さい。AICBなんたら。
で、ペースト。ダイアログでは当然「パス」を選択。
コピーした内容がドキュメント中央にペーストされます。
この時点で全てのベジェ曲線がドキュメント内に納まっていれば、
トンボを解除してできたパスがドキュメントサイズでぴったり配置されるのでそのままでOK。
そうでない場合
は、編集→パスを自由変形
で、ハミ出ていない辺を頼りに基準点の選定と距離の入力で元の位置に持ってきます。
例では右がハミ出ているので左上を基準点にして原点距離をゼロゼロにしたところ。
※上下左右のうち、上も下もハミ出ていた場合、もしくは右も左も、は、ご臨終。鼻から牛乳。
最後にトンボを解除した分の長方形を削除して、
整形前のパスも丸ごとポイして一丁上がり。これ削除しないと重いままです。
……という流れがFAだと信じてここまで進めちゃって、
Illustratorパートでのパス整形はこれからスクリプトでイイ感じにしよう、と思ってたら、
とんだ無知ちゃんでした。とんだご迷惑をお掛けしましたのでした。とんだ。おれはばかだ。
以下を参考にして下さい
バージョン6.0より新登場した「パスコンポーネント選択ツール」。黒〜い矢印。
その存在があまりにも地味な上にツール名もヒトッツもときめかない物なので、
その詳細も知ろうとしないまますっかり10年近くも放置してたわけですが
これ、ただ選択できるだけじゃなかったんですねえ。
選択する、属性いじる、複数選択する、「組み合わせ」ボタンをカチっとする。するとパスが混ざる。
にわかパスファインダ機能です。まさかPhotoshopがとっくにこれを備えていたとは。
いや、なくて不便だねーって毎度毎度思ってたんですが。。。
Illustratorのと大きく違うところは、
(日)合成方法に即したボタンはなく、それぞれのパスに4属性のうちいずれかを与え、
文字通りその組み合わせで合成結果を任意に作り分けるという手順
(月)合体系、型抜き系、交差系、苅り込み系に相当する結果は作れるが、分割系が無理。
無理というか無用なのかな? いや、あればドスドス使うけどなあ。
まあ、さっそくダーリンとハニーを合体させます。オス同士なのでベイビーは生まれません。