「バージョンは最新です」の考察

バージョンという「数字」を聞いているのに
「最新です」という「状態」を返してこられる事について、
おそらく考えてもしょうがない事なんだけど、
考えたくなったので考えてみたりしますよ。

これ、まあ、おばちゃんに「あたしのパソコンおかしくなったのー」
とせっつかれた時によく言われる「バージョンって何、わかんなーい」
よりは、まあ。わかんなーいは論外だものね。
音引き「ー」が特にね。ウゥッて来るね。実際弊社にいますねw

「最新」は気持ちがいい、自慢したい気持ちも少しあるでしょ

「最新です」のいいところは、自分でアップデート作業をした記憶が新しいという点。
いいことです。いいいい。なんでも最新は気持ちいい。
本来それでいいんです。いいいい。ほんとにいい。
「そのパンツ何日履いてるの?」と問われたら「けさ履き替えたばっかりだ!」
と答えるのはとても自然で健康的で素敵です。(ほめるのここまで)

幼少期、何かにつけマウント取ってくる同い年のイトコがいて
「ドラえもん最新の27巻買ったぜー」と来たので、
うやうやしく所蔵の28巻を見せてやった事があった。
あの時の彼の顔といったらもうね。
気持ちよかったです(すごくどうでもいい)。

「最新」の、概念以外の部分は相手に伝わるのか

答えられた側の人はどうか。ここではバージョンを尋ねた人になる。
「そっかー、最新かー、最新っていいよね!」で済めばいいし、
「おお、○月○日にリリースされたバージョン12.3.4のことだね、
アップデートはそのリリース日時以降に行われたわけだ、了解、了解だよ」
とすべてわかってくれればいい。
…わかる気はしないでもない。でも確実性はまったくと言っていい。ない。

・最終のアップデート公開が何年何月何日か
・最新の人が最新にしたのが何年何月何日か
どっちかでもわからないとどうしようもない。

「3日前にアップデートしたので最新です」というケースもあった。
これも前述に当てはまる。残念なことにあまり意味を成さない。

尋ねた側が知りたいのは新しさではなく「数字」なの

ここで認識の違いが生じている。
それはなんでか。
最新バージョンは一番バグが直っていて一番安心でナウくてモテるから、
という認識がたぶんある。
昔は大部分のアプリが確かにそうだった。
うちも、新しいのがリリースされたらすぐさま飛びついて、誰よりも先にインストールしていた。
なんでって、一番バグが直っていて一番安心でナウくてモテるから。
でも今は違う。最新バージョンで、逆に新しい深刻なバグが発生したりしている。
もちろん、「アップデートしたら不具合が解消しました」というのは今でもある。
でも現実に、ユーザーは最新バージョンに傷つけられ続けている。
その深刻なバグの回避策が、マイナーバージョンを1つ戻して使うことだったりする。
なんならメーカーがそれを推奨していたりもする。
そのために、正確なバージョンが情報として必要なのであるが、
その認識が甘い。薄い。ない。
おそらくそういうことなのだと思う。

ひとことで言うとバージョン管理の意識がない

最新バージョンに新規で冗談レベルのバグがあるのは当然メーカーの責任である。
高い金取って使えない物を出して、挙句せっかく安定している過去バージョンをインストールできなくして、
このやろうばかやろう、と思わないほうがおかしい。わかる。
しかし、仕事で使う以上は自分で身を守るしかないのである。
そのためには、今自分が入れて使っているバージョンの認識は必須なのである。
しかし。

仕事で使っていない人にはどうなの

これ。核心がこれ。
まだ、将来的にコッチの世界に来ようとしている人には、多少のわからせは必要かもしれない。
でも、PTAの刷物を制作しているとか、年賀状の自作だとか(全部自分の家のことだわw)
「プロとして〜」を説くのはお互いにしんどい。意識高い自慢と揶揄されるかもしれない。
ともかく、非プロにはバージョン管理意識などなくていい世界でいいとも思う。
中には「バージョンバージョンうるさい世界おかしいと思う。だから僕は最新って言い続ける」
なんて攻めた姿勢の人もいたりした。それは確かにかわいくない人間だけど、
そこまで追い込んでたのか、とも思わされる。

じゃあどうするの

最初に「仕事で使ってます」があればまた話は別だけど、素性がわかる前の段階では
「バージョンなんか聞かれる前に言えっての」はNGである。危険。ともだちいなくなる。
「バージョン教えて」も微妙。「最新でーす」と返ってくるに違いないからだ。
これは聞き方が悪いと思わなければいけない。
「バージョンいくつですか」も、一度で済まそうとするなら避けるべき。
メジャーバージョンしか教えてもらえない可能性が非常に高い。

こう聞けばよいの

「バージョンを知りたいので、これこれこう操作して、出てきた数字を教えてくださいまし」
もうこれしかないのでは、という結論。

ということで、以上はテンプレに(ならんわw)


以下、追記。

自分がよければそれでいいの

で、場所が掲示板なんかだと、複数人が同じ疑問やトラブルを抱えている場合が少なくない。
中には、知りたいことが過去スレッドにないか検索してから、という折目正しい方がいる。
そのとき、最新じゃなくなった「最新です」バージョンの情報があると、
集合知としてまるで役に立たない、という難点がある。
つまり、やさしい人にとってやさしくないのが「最新です」なわけ、というわけ。
そういうことなので、やっぱり最初の投稿になるべく書いといて欲しいなあとは思う。

2 thoughts on “「バージョンは最新です」の考察

  1. この問題はまるで我が事のようです。
    「最新」と言い張られるのも難儀ですが、間違ったバージョンを言われるのも難儀です。

    ウチの会社では、お客様から入稿されたAIデータを印刷する業務があります。
    入稿フォームにバージョンをプルダウンで選択できる項目を設けているのですが、これが平気で間違えられます。
    ある意味「最新」よりも「嘘」の方が厄介です。

    仕方ないので、フォームに「不明」という項目を追加しました。
    なんとも後ろ向きな対策ですが、お客様はプロではないので着地点としては、これも良しかと思っています。

    • あー…思い違いも込みで間違った情報はあるあるですねー…
      うちも製版屋時代に珍しくなく遭遇してました。
      不明…w なんかもうフォームの意味も半減ですねえ

AJABON GRINSMITH へ返信する コメントをキャンセル

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