Photoshop:パスの境界線を描くとガビガビになる件

仕事でもたまにやるし、家で粗末なまんがとか描いててもしばしばパスを引いといて境界線を描くというのをやるのだが。

発端は職場に先日ようやく導入したCS4の新機能を触ってた時。「回転ビュー」で45°回転、そこに垂直だか水平だかの直線パスを作成、そんで「境界線を描く」で鉛筆ツールで極細の線を引いてみた(つまり、元のビューからすれば斜め45°の線を引いた事になるわけ)ら、ガビビッと。テキメンに乱れたわけだお立ち会い。
数回試すうち、法則性が見え隠れしててヤキモキしてきたので一旦MacProを離れ、古い機種から同条件下、全バージョンで試してみた。
 以下、「05.tif」はver5.5、「08.tif」はCS、といった具合。
 500x500Pixels、72dpi、グレースケール8ビット、背景:白、表示倍率100%、左上に先頭パスを打ち、Shiftキーを押しながら右下にパスを繋げて斜め45°の直線パスを作成、鉛筆ツール(5pixels)を持ちenterキー殴打で「パスの境界線を描く」し、パスを白矢印ツールでドラッグ移動しつつ数回ずつ繰り返してみた。
なぜかG5で実行したCS2(09.tif)だけがキレイキレイ。他は1本目はキレイでも2本目以降がガビガビフェスティバル。
環境設定とかイロイロ見比べたんだが、結論としてはたまたまうまくいっただけという事でいいみたい。

どうも、ピクセルとパスの位置関係がクサいぞ、という考えに至り、次は以下の状態から実験。
今度は線幅を2pixelsにしてみた。よりケンチョにガビ度が判るかと。
グレーの「べた塗り」調整レイヤーを敷き、その上のレイヤーで実験。
なぜグレーを敷くか? ……CS4だからさ!


↑最初の比較と同じサイズの書類。しかし今度はCommand+0で画面一杯に拡大表示して(509%)やってみる。
 直線パスを同じように引きました……

はい、enter ドン。

まぁ期待裏切ることなく……ハァ。

一旦100%表示に縮め、すぐ下に新しくパスを引いてもう一度試す。

ドン。

……キレイじゃないか。
この違いはなんなんだ。

といったところで、最大倍率まで寄ってみる。
CS4はドドンと3200%だぜ。

CS4はピクセルグリッドがついてて見やすい。
グレーを敷いたのはこのため(環境設定でグリッドの色を変えてもいいんだけど……)
 おわかりか。509%表示で打ったパスはピクセル配置に対してすごくハンパな位置だ。
 100%表示の方は4ピクセルの谷間にうまい事落とし込まれてる。

つまり、モニタ解像度のピクセル=画像のピクセル な場合、GUIの都合上で
否応なくイイ場所になってしまう。

それでは、と、1本目のダメ直線パスを100%表示で移動してみた。


はい、ドン。

汚い。つけ加えると、汚さが寸分違わない。

また3200%で先頭パスを見てみた。

そしたら、こう。
結局、100%表示ではパスの移動距離も1ピクセル単位だということ。当たり前か。
元からズレてるパスを移動したら、移動先のピクセルからのズレっぷりは元のと同じってわけ。

以下、画像なしですが調査結果
100%、50%、25%ではキレイになるようだ(んじゃ最初の実験は勘違いかなんかですか)
 が、12.5%からは汚い
●200%では約1/2の確率でキレイになった(理屈はわかるでしょう)。
●ダメだったパスを最大倍率表示で、カーソルキーでいい位置まで移動して再実行したらそこそこマシになったが、完璧になる確率は低い。もっとこまかくないとダメか。
●ピクセルの谷間だけでなく、ピクセルのど真ん中でもキレイな描線が可能。目分量では余計にめんどいけど。
●ドラッグ移動では何%表示であれ移動量が1ピクセル単位でスナップされるのでダメなパスは移動してもダメ。これは周知でしょうけど一応まとめとして。
●この法則性はパスから作成する洗濯ハニーにも同様の事が言える

さて、どでしょ。
普段パス切りを300%〜500%ぐらいの表示でやってる人の「その理由」が、「目が疲れるから」以外に「正確に切りたいから」だった場合は認識を少し改めなければならんのだろうか、これ。
まさに自分の事なんですけどー

7 thoughts on “Photoshop:パスの境界線を描くとガビガビになる件

  1. ほおお、おもしろい。変なことに気づいたねえ。へええ。
    ちょっとどういうことなのか考えてみた(想像を含む)。
    本来、ベクターデータ(ドローデータ)は滑らかなはず。これは座標の値だけで幅をもっているわけではないから。でも、実際に描画する時にはビットマップ化=ラスタライズされる。具体的には、画面上でパスを描画する際にはCRTモニタなら72ppiとかでピクセル表示(液晶などの場合は機種と設定でいろいろなのかしら)するわけだし、プリント時はプリンタやセッターの設定で600ppiとか2400ppiとかで表示(トナーやインキ、フィルム上の網点などに依存)することになる。従って描画されたものを目一杯に拡大表示すると、どうしても輪郭にジャギーが見える(ことがある)。
    ここまでは常識だと思うんだけど……一方、ビットマップ系(ペイント系)ソフトでは? ってことだよなあ。

  2. Photoshopなどには、デフォルトでピクセルのマトリクスがある(のでしょう。正式な名称は知らないけど、これがつまり「ビットの地図=ビットマップ」なのかも)。この場合は、パスを利用するとパスへの塗りがそのマトリクスに従ってビットマップ展開される。そのため、解像度とパスの塗り幅によっては画線の平滑が乱れる(ジャギーになる)。
    原理的には、画線が45度の倍数(垂直1=0度、45度、水平1=90度、135度、垂直2=180度、225度、水平2=270度、315度)以外の角度を持っている場合、どうしてもピクセルはパスの周囲に散らばってしまうことになる。これは、特に二値ないし階調数の少ないデータで顕著となる。
    つうことなのかな。

  3. じゃあ、これを避けるためにはどうするか。上記の推測が正しいならば。
    印刷用画像では、二値の描線であっても600〜2400ppiなど十分に高い解像度で印刷に必要な線幅を与えればよい。つまり、極端に小さな絵柄を作成する場合以外は、ほとんど問題にならないだろう。
    しかし、Web用画像ではCRTを基準に72〜96ppiで作成することになるため、二値で細い描線を使用する際には原理的に避けられない(んじゃないかな)。二値の描画はあきらめて、階調数を確保して避ける必要がありそう。イメージを損なわないラスタライズを模索する必要があるんじゃないかな。どれぐらいがいいかわからないけど、グレースケールなら64とかで足りそうだけど、カラーだと256あたりまでの階調数では難しいかもだねえ。
    切り抜き作業ではどう考えればいいのか。
    ……長々と書いたけど、実はわからん(^^;;
    連投深謝 m(_ _)m。

  4. 出力屋の現場では、色調補正担当のオジさんがトーンカーブしか手段を持たないが為にこちらで選択ハニーを用意してから画像を託す、という光景がよくあるんですが、ここでいうパス切りはクリッピング用ではなく、こういった選択ハニーの元になるパスですね。
     直線な絵柄に対し、ピクセルの四角を視認できる程度までズームしてぴったりパスを当てた場合ガビガビが起こるのは前から気づいてて、ドヒャーヨー、ナンボガフェーンズヨー、とか嘆いていたわけです。

  5. ウチも文が長すぎて叱られた..
    まその、ズレに関しては誤差1px以内なので印刷品質の画像で言えばどうという事はないですね。確かに。画面で汚くても最終目的てある印刷結果上では目立たないんだろうと信じたいところ。
    不都合がぶちあたりそうな、というとweb用画像の二次利用でしょうかね。
    たいがいは大きなサイズで作業して仕上げにリサイズ&シャープネスだろうけど、使い回しとなると72ppiのルツボなんじゃないかなあ。
    ラスターデータである以上、距離の最少単位は1pxで当然で、何の問題も起こらないはずなのにパスだけは異世界なのが原因なのだな、と。スクリプトでパスの座標を指定する場合なんかもpx単位でしか置けないんですが。
    結局、パス選択ツール(白矢印)のツールオプションに「ピクセルにスナップ」が無いという点がThomas Knoll の手落ちなのでは、という事にしときましょう。

  6. むむむ。カラー調整かあ。領域をパスで切ってから次に渡すわけか。ふむむ。そんなことをする世界があったとは(汗
    その場合、印刷用途だと、まるっきり次元が違う話も関係してきますよね。たとえば「隣接した色の差を、人間はどの程度認識できるか」だとか「100×100ピクセルの単一色の塗りのなかに1ピクセルだけ違う色を置くと、人間には全体の色がどう変わって見えるか」みたいな世界。
    美術系の印刷では、まじでそういうコントロールをする職人さんがいたりするのです。2400ppiとかのデータに対して「んー、この部分のスミが原画と違って見えるから、1ピクセルだけY30M20にしよう」とかいう調整をしたりする。それでそこら辺一帯の色がバビッと変わって見えるものだそうです。印刷と言っても版画の流れを汲むような世界ですけど、もう経験と勘が頼りの職人の世界ですね。理論はこさえられてない模様。
    ただの四方山話になっちゃった(汗

  7. >まじでそういうコントロールをする職人さんがいたりする
    まぁ、往年のゲームのドット絵職人もそういう境地ですよね。えてして騙し絵チックで感心しきり。
    一方こちらは、ホトショプの機能を4割でも使えてたらパスの選択ハニーなんて必要ないのにむざむざ、という底辺気質ですよ。アルファチャンネルも出力用の形式と別個で保存しとかなきゃいけないんで敬遠されます。 最近はpsd形式もいけるんでわりとやりますが、それでもレイヤー階層が複雑になってくるともうクレームがきます。

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