「画像解像度」の理屈がわからない人にどこまでわかってもらえるかわかるためのテスト(3)

前々回の続きの前回の続きです。

にったんおさらい

Photoshop上の画像の表示は、画像ファイルの画像解像度がいくつだろうが関係なく、1ピクセルをディスプレイの1ピクセル分の大きさで表現、つまりピクセルを等倍表示した状態が100%表示となります。
なので、「ピクセル数は変えないまま解像度だけを変更して、寸法がそれに応じて変動するさま」を見守るには、Illustratorなどに配置してみるのがてっとりばやいんよ、という感じでやってきました。

ピクセル数が固定された場合(再サンプルなしで画像解像度をいじった場合)、解像度を上げると寸法は小さくなる、解像度を下げると寸法は大きくなる、を説明した気になっています。
というわけで、続きです。

「再サンプル」にチェックを入れて解像度を変えてみる

というわけで、今度は「再サンプル」にチェックを入れていじっていきます。
これにより、入力した幅・高さと解像度はほぼ連動しなくなります。
…「ほぼ」ですよ「ほぼ」。

てきとうな画像ファイルを開きます。なるべく小さめのかわいいやつがいいです。
すこしズームして、ピクセルのガタガタが見えるようにしておきます。

例によって「画像解像度」を開き、

例によっていじりましょういじりましょう。

  1. 「再サンプル」のチェックを入れる
  2. 縦横比の保持をオフに
  3. 幅・高さの単位を「%」に
  4. 「解像度」の値を半分に(元が 72 なら 36 に)

で、OKボタンを押す前に(押しちゃった人は取り消してもっかいやってください…)
3 の、幅・高さの値(赤線囲み内)を眺めてみて。
単純に50%になるはずですが、
中には、なんだかハンパな値になった人もいるかと思います。

なんでなのよーっ

なんでか

きっちり50%にならなかった人は、「キャンセル」ボタンを見ながら optionキー(Windowsは altキー)を押してみましょう。
「キャンセル」ボタンが「初期化」に変わったらクリック。
すると、いじる前の状態にもどります。

で、「寸法」のところを確認。

幅・高さのうち50%にならなかったほうのpixel数が、奇数になっているはずです。
画像の最小単位はピクセルです。ピクセルは小数にはできません。
なので強制的に四捨五入されたわけです。
これが冒頭でほのめかした「ほぼ」の部分です。連動はしなくても影響は受ける場合がある、と認識するとよいです。

あらためて 1〜4の手順で解像度を半分にしてOKボタンを押します。
画像の表示倍率はそのまま、なのでピクセルのガタガタっぷりもそのままでで小さくなります。
わかりにくいと思ったら、ねこのヒゲのあたり見比べてみてください。

んじゃ次。

「再サンプル」にチェックを入れて幅・高さを変えてみる

直前の、解像度を落とした画像をそのまま使います。

  1. 「再サンプル」のチェックを入れる
  2. 縦横比の保持をオン
  3. 幅・高さの単位をmmに
  4. 幅・高さ どちらかの値をてきとうに3〜4倍ぐらいに

これもOKボタンはちょっと待ってください(またまた押しちゃった人は取り消してもっかいやってください…)
「画像解像度」ウィンドウの左半分はプレビューになっているので、
元画像と並べて、なるべく同じ大きさになるよう調整してみます。なんならウィンドウサイズも変えられます。
ねこの場合、またヒゲがわかりやすいですね。ガタヒゲがヌメヒゲになりましたねえ。

OKボタンを押すと、ズーム倍率はそのままで、まあでっかくなります。
(びっくりしてすぐ閉じちゃったのでスクショありません)
んじゃ次。

「再サンプル」にチェックを入れて解像度を変えてみる

画像は前の工程で解像度をいじったのを取り消すか、開きなおします。

いじりましょう。

  1. 「再サンプル」のチェックを入れる
  2. 解像度を上げる(例では 72 を 350 にしました)

OKしたら別名保存します。

元画像と、解像度を上げて別名保存した画像を2つともIllustratorに並べて配置してみます。
幅・高さはいじっていないので、見た目(ほぼ)同じ大きさで配置されます。
ピクセルのツブツブが見えるまでズームしてみます。

配置寸法(ほぼ)そのまま、ピクセルの大きさが違う。
解像度「だけ」を上げたから、です。

大まとめ

これまでの(1)-(3)を、おおざっぱにまとめます。
・画像の「解像度」はピクセルの大きさ、というか小ささを表す
・高解像度:ピクセルが小さい(絵柄が細かい)、低解像度:ピクセルが大きい(絵柄が粗い)ということ
・最終的な解像度は配置寸法とピクセル数で決まる
・画像に与えた解像度(ppi)だけでは使えるか使えないかの判断はできない、してはいけない


次回、
よくある(と思う)思い違いについて触れます。
得意先にキーキーとダメ出しされたとき、自分が悪いのか先方がおかしな事を言っているだけなのか、
の溝が埋まればいいなあ、と。
それでおしまいにします。
つづく