InDesign:フレームグリッドを基準にベースライングリッドを整えるやつ

読まなくて全然いいプロローグ

毎回、泥をこねるような指示ばかりよこす得意先がおりましてなあ。
つねづね「見本組で制定したスタイル以外の体裁指示をアドリブでクリエイトしないでよー」
と苦情を伝えているんですけど、「でもー、著者がそうしてくれってー」って。ハー。
舵取りのできない編集さんが粒揃いの出版社なわけですが、新刊作業の際、
“お抱えのデザイナーに作らせたフォーマットデータ” を添えてきてくれたので
「ようやく俺の魂の叫びが届いたかよ」なんて思いきや、
初校直前から「やっぱりこうしてー、全部そうしてー」
再校時に「ここはこれ」「ここはコレ」「ここは此れ」
あの、これ と コレ と此れ は同じなんですか、別物なんですか…
などと、結局いつもの泥こね。

それはいいんだけど(じゃあ書くなよー)
よこされたフォーマットデータがフレームグリッドでできている。
それは受け入れる。
本文が対話形式。セリフ部分に「段落の囲み罫」がついている。
それもまあ、まあ…
このあと、たぶん絶対「0.5行アキ」などと割り切れない指示がくる。
それはとてもだめなのだ。段落の囲み罫はフレームグリッドにあまりにも忠実なのだ。
いかん、なんとか構造を変えねば。


ダウンロード

というわけで、かねてより欲しかったので、この機会にスクリプト書きました。
選択したフレームグリッドの設定をもとに、ベースライングリッドの設定をととのえるやつです。

baselineGridSetter.jsx

今回はgistにアップしました。
リンクに飛んだあと、右上あたりにある「DownloadZIP」ボタンを押しましょう。
たぶんCS3などでも動くと思います。


あそびかた

フレームグリッドを選択。もしくは中のテキストを選択。
(しなくても動きますが仕様は後述)

ベースライングリッドを◯◯に揃えます、的なアラートが出るので間違いないか確認(後述)。

ダイアログが出るので、なおしたベースライングリッドを何揃えで使うか選択。
このとき、実行時に選択したテキストがグリッド揃えなら初期値に反映されます。

でOKボタン。やったね。( ↓ スクショは「仮想ボディの上」で実行したもの)


こまかい仕様

興が乗って、フレームグリッド以外のものも対象にしたので、以下の簡素なフローチャートもどきを参考にどうぞ。

テキストフレームまたはテキストが選択されているか
テキストフレームに「カスタムのベースライングリッドを使用」のチェックが入っていれば、
ベースライングリッドの開始位置、間隔はカスタム略の設定を反映
カスタム略未使用なら、
フレームグリッドを対象とする。揃え位置選択ダイアログへ
フレームグリッドを選択していなければ、
アクティブページのドキュメントグリッドを対象とする。揃え位置選択ダイアログへ

揃え位置選択ダイアログを出す。初期値は「仮想ボディの中央」
選択テキストがあってグリッド揃えされていれば、
グリッド揃え選択ラジオボタンに反映
選択テキストフレームがあり、先頭段落がグリッド揃えされていれば、
グリッド揃え選択ラジオボタンに反映
条件外なら初期値のまま

みたいなかんじです。
ちなみにグリッド揃えの、ダイアログのラジオボタンにない項目の
「平均字面の上」「平均字面の下」については、座標値の決定に貢献がないため除外しました。

不都合については知りませんが、不具合については直していただいてかまいませんのでー。
直したらおしえてね。


ギャラリー

InDesign:タテヨコとっかえるやつ

気の進まない業務やらいろいろで勉強の進みが遅いですこんにちは。

目先の作業でどうしても必要なスクリプトがあって、
今回のは探すよりも書かせるよりも書いたほうが早いと判断して、
ひさびさ書きました。


タテヨコ変換.jsx

webに転がす都合で、ダウンロードファイルは「id_orientationSwitcher.zip」という名前になってます。
あとでかわいい名前になおしてやるといいです。
たぶんCS2以降どれでも動くかと思います。


こんなやつ

実行するたび、組み方向とテキストフレームの幅:高さを中央基準で入れ替えるやつ。
すごく必要だったんだー。

グリッドや回り込みの影響でオーバーフローしたりする点は、知りません。
自動サイズ調整などでうまいことやってくださいまし。
フレームグリッドの場合はアプリの使用上、変換後に強制的にサイズ変換がかかります。
みんなわかってると思うけど、いちおう。

余談で
先日正式にアップデートされたExtendScript Debuuger、Apple Siliconネイティブ対応したのは嬉しいんだけど、人の入力どころか思考を先回りして「こう書きたいんだろ? ん?」ってしてくるようになって…
それがあまりにも図星なことがままあって。
今回でいうと14行目 sel.geometric… の行は 「CY – w / 2, 」までしか書いてないのに、まんまと。
便利は便利なのでまだこのまま使うんだけど、
なんだか「やめろーっ、人の頭の中を覗くなーっ」って叫びたくなってます。
そう思わない?
僕は面白いと思ったけど、ファンのみんなはどう感じたかな?

AI謹製スクリプトに思うこと

今回、読み手によっては不快な表現を含むかもしれません。ごめんねーごめんねー。

予想にもれず、AIにスクリプトを書かせる勢が際立って目立つようになってきました。
アイディアでいえば脱帽級のものがたくさん。すごい。
今までこれを、書ける人に金払って頼む機会はなかったんかいな、と思えるほど。

あるていどのものならサクサクッと書ける自分ですら、
すでに「AIに不完全な物を書かせて完成に近づけていくより自分でイチから書いたほうが速いから」
とはならなくなってきています。
元からスクリプトが書ける人のほうがプロンプトも上手に出せるわけで、
AIアホだなーダメだなーなんて時代は一瞬で過ぎ去りました。
セッキョッ的に使ったほうが絶対いい。

当のAIさんはといえば、web上のあらゆる物をソースに利用しようとしてくるわけで、
おこがましいけど「いつかAI経由でも誰かの役に立つならば」と、
出来合いのスクリプトを公開しつつコードにも説明つけてGitHubにアップしておいたりも、してみてはいました。
まあ、そんなこと知ったこっちゃないですよねえ。
目の前のAIに頼むだけなんだもの。AIがどこから有用な情報を持ってくるかなんて関係ないもの。
その上で興味もない、まで言われてしまったらとても淋しいー(まだ言われてないです)。

Twitterで「これがわからない」という人に、たまたま正解を知っていたので教えてさしあげたら
「ありがとう! Twitterすごい!」と返されてモッヤモヤになってしまったこと、
経験ありませんか。うちだけですか。ほんとですか。
あれと似た感情がふっつふつと出てきています。

いや、誰かがAIに作らせた何かが明確に自分の何かを参考にしているとかいうわけでもなし。
別段、自分ではなく知人がダシになったとしてもそれはそれで同じ感情が湧きます。
以前だと「◯◯の部分は◯◯さんのサイトを参考にさせていただきました」なんて出典の表記があったりして、
それだけで「うんー、光栄ですわよねえ」と満たされてたんですが。

今は、なんかねえ。
「自分の発案で」
「自分が書かせた」
「自分が自分が」
「既出なんて知らん」
という時代に突入していて、ちょっとモヤァァとしてしまうようになってしまいました。
まあ既出のものを探すよりもAIに書かせたほうが断然ラクで早いんだからねえ。
かといって何かするわけではなく、できるわけでもなく。誰も間違っていないのだ。何も言えない。

AIの書かせ手にしても、毎回「どこかの誰かたちのおかげでこれを完成させることができました」なんて、
あてのない感謝を述べるようなことになっても、ものすごく阿呆げてるし。
スクリプティングのセミナーをやるにしても、「書き方」よりは「書かせ方」をやったほうが人が集まります。絶対。
それで今後、若手の地力が育つことなんてあるのか、などと余計な心配までしてしまう。

この先どうなってもなんとかなるよう、やわらかく適応していけるよう、がんばりましょうねえ。
隠れろ、うちのモヤモヤ。うちもAIスキル上げてくぞ。